学校時代の頭のよさと、仕事での頭のよさには違いがあります。
「頭がよい」という言葉は、一般にはどのような意味で使われているのでしょうか?
小学校から高校までは、テストの点数が頭のよさを測る尺度となる傾向があり、記憶力や計算能力のすぐれた子ほど頭がいいと思われがちです。
秀才の中でもトップクラスになるためには、さらに理解力や思考力、応用力などの能力も要求されます。しかし、何といっても重要なのは記憶力であり、あわせて長時間、勉強が続けられる集中力と忍耐力の有無が成績を左右します。
ただし、ガリ勉タイプは少し評価が下がり、あまり勉強をしないで成績が上位の生徒が「本当に頭がよい子」とされます。
ところが社会に出ると、知的な仕事に要求される脳力は、記憶力や計算能力ではありません。それよりも理解力や思考力のほうが大事で、さらに分析力、表現力、発想力、企画力、調整力、コミュニケーション能力などが求められます。
最後のコミュニケーション能力は、IQ(知能)よりもEQ(Emotional
Intelligence Quotient=感情知能指数)に関係します。
知能については、心理学の世界でも昔から研究がなされ、いろいろな説が発表されてきました。
その中で、現在もっとも利用価値があるとされるのが「サートンの多因子説」です。
サートン(1887〜1955年)は、知能検査などの分野で統計処理の発展に貢献したアメリカの心理学者ですが、知能の因子分析を行い、次の7種類の分類を導き出しました。
1.言語理解………言葉を使う能力
2.語の流暢性……なめらかに話す能力
3.数………………計算などの能力
4.空間……………空間的関係の理解
5.記憶……………記憶する能力
6.知覚速度………知覚するスピード
7.推理(帰納)…推理する能力
学校時代は、評価が「5.記憶する能力」に著しくかたより、かろうじて「7.推理する能力」と「3.計算する能力」が評価項目に加わっているという感じです。
私たちは、「学校の成績」とか、「出身大学のネームバリュー」という呪縛からもっと自由にならないと、人の脳力を正しく評価できないでしょう。