オセロの上達法を知る 

 オセロは19世紀末にイギリスで生まれた「リバーシ」というゲームと同じものです。明治末期にリバーシは日本にも輸入されました。
 その後、日本では1970年にオセロという商品名のゲームが市販され、爆発的に流行しました。

オセロとリバーシは厳密にいえばルールに若干の違いがあり、オセロはリバーシの改良版というべきものです。しかし、各国でライセンスが取得されたオセロは、商標名のまま一般名称として通用することになりました。1977年には初の世界大会が行われています。

 

 オセロ(リバーシ)のルール

 オセロは8×8マスの盤を使い、裏と表が白黒逆になっている石(もしくは駒)を64枚使います。その魅力は、何といってもその単純明快なルールにあるでしょう。

@自分の石ではさんだ相手の石は、ひっくり返して色を変える
A打つところがない場合に限ってパスができる
B石を全部埋め尽くすか、打つ場所がなくなった時点でゲームは終了し、石の多いほうが勝ちとなる


の3つだけ知っていればだれでもすぐにプレーが楽しめるのですから。

 しかし、シンプルさとは裏腹に勝つのは意外に難しく、奥深いものがあります。
 初心者は序盤からたくさん相手の石を返そうとするとしますが、それは敵を利するだけです。オセロの最終目標は自分の石を多くすることですが、最終局面になるまでは基本的には「石数の少ないほうが有利」なのです。

 オセロでは「隅に入ったほうが有利」ということは初心者でも理解していますが、終局近くになるとそれも絶対ではなくなります。実力差があると、「相手に4隅を取らせて勝つ」などという芸当もできるほどです。

 ちなみにオセロのハンディキャップは通常、対局前に中央に石を4個並べる際に、左上隅に1個黒石を置いて始めます。それでも勝てなければ、黒石をもう1個、右下隅に加えます。最大のハンデは4隅に置くことですが、これは将棋でいえば6枚(飛車角桂香)落ち以上のハンデかもしれません。しかし、隅に置かされるほうはあまり気分がいいものではありません。

 このほか、あらかじめ10個とか20個というようにハンデを決め、最後に下手にポイントを加えて計算する方法もあります。前者が質のハンデであるのに対して、後者は量のハンデになります。

 次に、オセロの初心者が上達するための心得、セオリーのようなものを簡単にまとめました。



 オセロ上達のための4つの心得

1.石はあまりたくさん返してはいけない

 すでに述べたように、自分の石が多くなる状態は不利です。理由は、石数が多くなると相手の石が少ないため、自分の打てる箇所が少なくなるからです。選択肢が少なくなれば打ちたくないところに打たされることになります。逆に相手の石が多くなると、自分の着手の選択肢は増え、  相手の選択肢が狭まります。石は1個か2個返すよう心がけてください。
ただし、少なく取るといっても、極端に石が少なくなると不利になります。ときには全滅の危機にさらされることさえありますので注意しましょう。

2.自分の石は塊の中心付近に集めるようにする

 石が中心に集まったほうが、着手の選択肢が増える上に、石をたくさん返さずにすみます。不本意なところに打たされることが少なくなるでしょう。

3.相手に壁を作らせるようにする

 オセロでは分厚い壁を作ったほうが不利になります。逆に相手には壁を破らせるように打ちます。ただし、前項との兼ね合いが難しい場合もあります。ときには石を中心に集めるために、あえて相手の壁を破ったほうがいいこともあるでしょう。オセロには絶対のセオリーなど存在しません。

4.終盤には隅を巡って有利な形と不利な形があることを知る

 隅に入るための仕掛け、逆に隅に入らせてその隣にもぐりこむ作戦など、終盤にはいろいろなテクニックがあります。最終局面になると対角線の石の配置が重要なポイントになることもあります。石の形によってさまざまな手筋があり、かなりの読みを必要としますから、それらのパターンをしっかり学んでおくことは、上達に欠かせません。


オセロ上達の心得 左の図は黒番15手目の局面です。ここでの形勢を考えてみましょう。

 石数は、黒石11個に対して白石7個ですから、ひとまず白が有利という見方ができます。
 
 次に中央4マスを見ると、白石3個に対して黒石1個で、白石が塊の中心付近に集まっています。黒は上辺と右下に壁を作っており、着手が不自由になっています。

 黒の次に打てる場所は、序盤・中盤で絶対に打ってはならないa点を除けば、7か所です。一方、白は(自分の番ではありませんが)打ってはならないb点2か所を除いても、13か所もあります。すでに黒は作戦の制約を受け、打ちづらくなっています。


 黒の形勢が苦しくなってしまった原因は、黒が白に比べてたくさん石を返し、しかも壁を作ってしまったことにあります。


 オセロは終局間際に石数がめまぐるしく変動し、逆転劇が行われます。「オセロ」という商標名はそうした特徴から生まれたものですが、それだけ終盤が重要なゲームだということです。

 オセロはだれでもすぐに覚えられ、ゲームを楽しめますが、ただ実戦を重ねるだけではなかなか上達しません。碁や将棋と同じように序盤、中盤、終盤のそれぞれに有利に運ぶための考え方があり、定石や手筋があります。それらをオセロの指導書で勉強することが、上達には欠かせません。

 強くなるにつれて、オセロはますます面白くなってきます。その点はあらゆるボードゲームにも共通するものですが、脳がより深いレベルで喜んでいる状態ともいえます。


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