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指の運動で脳を活性化させる

 人類は直立歩行をすることによって、手の自由を獲得し、脳を高度に発達させる道を歩みました。脳が重くなっても歩行に支障がない姿勢を得たことも、脳の発達を促したと考えられています。

 

 複雑な指の運動で脳を活性化

 ヒトが他の高等哺乳類と決定的に違うのは、10本の指を自在に操ることができることです。指先にはたくさんの神経が集まり、脳に直結しています。そのため指先は「脳のアンテナ」と呼ばれるほどです。その指先の働きをよくすれば、脳を活性化するということは容易に想像できます。

 それを裏付けるように、十数年前から「指を使うと、脳細胞が刺激されて脳が活性化する」というさまざまな研究が、国内外の脳科学者から発表されてきました。

 私たちの日常生活では、指の運動は、物をつかんだり、筆記用具を使ったり、はさみや包丁を使う程度のことしかしていません。人によってはパソコンのキーボードをたたくという運動もしていますが、それも熟練者にとってはあまり脳の刺激にはなりません。

 脳によい指先の運動で大切なことは、

@両手を同時に使う
A指をすばやく動かす
Bふだん使わない指の動きをする
C指先の皮膚の感覚を鋭敏に保つ

ということだといわれています。

 そこで、それらの要素をすべて取り入れた指の体操が考案されています。有名なところでは医学博士・栗田昌裕氏の「指回し運動」というものがありますが、他にもいろいろあります。ただし、日本人によくありがちな、「それさえすれば安心」という思考法に陥らないことです。
 指の体操はあくまで脳のウォーミングアップ。「指を回すだけで頭がよくなる」と考える人はいないでしょうが、老婆心までに蛇足をつけ加えました。
 
 なお、両手の指先を同時に使うものとしては、楽器演奏があります。特にピアノ、キーボードやギターはすべての指がバラバラに動きますから、脳を鍛えるには効果的だと考えられます。
 とはいっても、これは素人のレベルの話。プロの演奏家にはあまり効果がないようです。なぜなら、彼らはその楽器に必要な指先のすばやい動きを無意識にできるよう、高度に訓練しているので、脳に負担をかけていないのです。だからこそ逆に、プロは「表現」という一次元上の脳を存分に使うことができるのかもしれません。


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