「計算問題はできるのに、文章題は苦手…」
そんな子供が多いようです。
算数の文章題は、計算能力とは別に文章の読解力が要求されるので、難しくなるのです。
算数文章題には、解法パターン別にさまざまな名前がついています。
たとえば、上の流水算の他に、植木算、和差算、年齢算、つるかめ算、ニュートン算、旅人算、通過算、時計算、還元算、周期算、日暦算、分配算などがあります。
このうち、有名なつるかめ算は、「つるとかめの頭数が10で、足が合わせて26本あります。つるが何羽、かめが何匹か」というパターンです。解き方は、
「全部つるだとすると足の数は20だから、実際よりも6本少ない…」
というような考え方を出発点とします。
しかし、つるかめ算は計算しやすい「つるとかめ」とは限らず、たとえば次のような問題である可能性もあります。
問題
1個60gのまんじゅうと、1個85gのケーキがあわせて24個あります。全部の重さを量ると1765gありました。まんじゅうとケーキはそれぞれいくつありますか。
この問題は、連立方程式を習った人なら簡単です。
まんじゅうをx個、ケーキをy個とすれば、
x + y = 24
60x +
85y =
1765
という式が簡単に導き出されます。あとは機械的な計算問題に過ぎません。
でも、算数の問題ですから、方程式を使ってはいけないのです。どう解きますか?
数学は算数よりも高等だと考えられています。記号が登場し、論理や数字が抽象化されるからです。
しかし、つるかめ算に関しては、計算能力以外の脳をたくさん使う算数のほうが、脳のトレーニングになるように思えます。
算数文章題は、問題の論理構成がどのパターンに該当するかを見抜く力が要求されます。わかりづらい場合は、文章を図式化してみると解きやすくなりますが、それにはもう一つの脳力を使うことになります。
文章題は小学生の問題だと侮っていると、意外に難しい問題にぶつかります。小学生のお子様やお孫さんをお持ちの方は、ぜひチャレンジしてみてください。聞かれたときに困らないためにも…。